神戸大学 大学院理学研究科・理学部

入試情報

受験生へのメッセージ (理学部・3年次編入)

理学部が求める学生像

 理学部は、数学、物理学、化学、生物学、惑星学の諸分野の関連する学問の体系を土台にして自然科学の基礎をなす教育と研究を行う学部であり、小は各種の原子や分子の性質から、大は宇宙空間の惑星の挙動に至るまで、自然現象の示すさまざまな振る舞いがどのような原因で起こっているのかということを解明することを目的としています。このようなことから理学部では、次のような学生を求めます。

  1. 旺盛な知識欲とともに、批判的精神と独立心の豊かな学生
  2. 多彩な自然現象を対象とし、異なった見方や考え方ができる学生
  3. どの科目にも万遍なく興味を示し、総合的な理解力をもつ学生
  4. 特定の科目に際立って優秀な成績を示し、能力の偏りがあっても独自性の高い学生

数学科が求める学生像

 数学とは一言で言えば図形、数及び量を研究対象とする学問です。人間が世の中のさまざまなことがらを認識し推論をしていく上では、物事の図形、数、量といった部分を取り上げ抽象化して議論をしていくことが多いですが、その手法が学問にまで高まったものが数学です。

 数学は厳密な抽象的な学問であるとよく言われますが、厳密性や抽象性が目的であるわけではありません。数学には、素数全体の集合、曲がった空間、物体の運動を記述する方程式、代数方程式で定まる解の集合といった、面白く重要な数学的な対象が多くあります。厳密性や抽象性は、このような数学的対象をより良く理解し理論を発展させるための手段に過ぎません。ですから、数学の学習のためには緻密さの他に、物事を柔軟に考える力がぜひとも必要です。

 数学科に進学しようとする人達には、数学について良く理解していること期待するのはもちろんですが、高校までに学習する国語、地歴、公民、理科、外国語についても広く知識をもっていてほしいと思います。さまざまなことがらについての思考の経験があることが、柔軟性につながると信じるからです。そして、これは自分自身にしかわからないことなので、試験や面接で調べることもできないのですが、数学が好きでその学習に情熱を持つこと、そして物事を自分自身の力で粘り強く考え抜く態度をもつことが大変重要です。そのような人を数学科は求めています。

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物理学科が求める学生像

 物理学は、素粒子、原子、物質、そして宇宙に至るきわめて広い範囲にわたる自然の構造と機能の根本原理を探求する学問です。私たちの身のまわりにある物をどんどん細かく分けていくと最後にはどうなるでしょうか。私たちの身のまわりの物質は、さまざまな条件下でどんな性質や現象を示すのでしょうか。また、「なぜ」そうなるのでしょうか。物理学はこのような疑問に答えようとする学問であり、基礎科学としての自然科学およびその応用科学技術の土台をなす重要な学問分野です。

 物理学科では、本学科における教育、先端的研究への参加を通じて、研究者として基礎科学の進歩に貢献できる人や技術者として科学技術の進展に貢献できる人を育成するとともに、物理学の知識と手法を生かして他分野に進出して活躍できる人を社会に送り出すことを目的として教育を行っています。この目的のもとで、物理学科では次のような学生諸君を求めています。

  1. バランスのとれた基礎学力があり、物理学の勉学に強い意欲をもつ人
  2. 物理学への強い好奇心、豊かな感性と鋭い直観力をもつ人
  3. 柔軟かつ論理的な思考ができる人
  4. 実験や観察が好きで、実験装置の作成にも興味がある人
  5. 物理学的なものの見方・考え方を身につけて社会のいろいろな分野で生かしたい人

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化学科が求める学生像

 化学とは物質の個性と多様性について探求する学問であり、「物質をつくる」、「物質を理解する」という二つの側面をもっています。そして、これらの二つの側面は互いに支えあい化学は発展してきました。つまり、新しい物質がつくられることで物質の性質を支配している原理が明らかになり、またその原理をもとにして新しい物質がつくりだされてきました。このような新物質・新材料は環境、エネルギー、情報などの社会的な難問を解決するものとして、大きな期待が寄せられています。

 理学部化学科では、皆さんがこのような化学の進歩の将来を担えるよう、講義と実験を通じて専門知識の体系的な伝授と、物質に対する優れた感性の育成を行っています。化学が対象とする分野はますます広がっています。最近では、生命科学、環境科学、大気科学、宇宙科学などとも接点を持ち、また試験管やフラスコに代わってコンピューターも化学研究の新しいツールとなっています。このため化学者には、化学の専門知識と同時に、自然科学の問題に幅広く対応できる力が求められます。この認識のもとに、理学部化学科は次のような資質を持った学生を求めます。

  1. 総合的かつ基礎的な学力があり、化学に強い興味を持っている人
  2. 化学だけではなく、自然に対する幅広い好奇心を持っている人
  3. 柔軟かつ論理的に考える力を持っている人

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生物学科が求める学生像

 生物学は身近にある、“生きもの”を対象とした、親しみやすい学問分野ですが、「生命とは何か?」「生物はどのような環境のもとで生き、変化してきたのか?」等、人類にとって実は最も難しい問題を明らかにしようと努めてきた学問です。20世紀後半に革新的な発見や研究手法の開発があいつぎ、様々な現象が分子レベルで理解できるようになってきました。そのおかげで、生物学は現在大きく脱皮・成長を続ける最も新しい学問分野の一つになってきています。そこには、未開拓の神秘的でさえあった現象の解明への挑戦という理学の夢がまだまだたくさん含まれています。

 生物学の基礎研究の進展は、バイオテクノロジーという応用技術分野も生みだし、生命・生物に関連する諸問題で、産業・社会にも広く大きな影響を与えるようになってきています。また、ヒトの地球規模での移動や生活域の無秩序な拡大により、環境破壊や生物種の絶滅を引き起こしたことから経済効果優先でなく生態学に基礎をおいた問題解決が強く求められています。

 皆さんが活躍する時代にはますます生物学の知識や知恵が重要になるに違いありません。皆さんが得意な理系の科目が現在何であるかにかかわらず、生命現象に潜む「理(ことわり)」を学び、体得し、さらに自らそれを探つてみたいという情熱を持つ学生を、生物学科は受け入れます。

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惑星学科が求める学生像

 神戸大学理学部惑星学科では、宇宙・惑星科学、非線形科学から気象・海洋学、固体地球科学まで多様な内容の教育・研究をおこなっており、全国の地球惑星系学科の中で最も分野の多様性に富む特徴があります。学部学生の教育においては、出来るだけ多様な手法・視点で課題に取り組む能力を身に付けるよう指導しています。

 このため、入学者には、自然科学をおこなうために必須な、数学、理科、英語を中心とした基礎学力を期待すると同時に、自然現象への強い好奇心を有することや、多面的な観察力・論理的解析力・表現力などの能力を研鑚できることを望んでいます。さらに、我々はこれからの国際社会で活躍するためには、一人一人の研究者・技術者としての個性が重要だと考えています。総合的な能力も大切ですが、得意分野で他人にはできないユニークさ・集中力を発揮できることはさらに重要です。これらの点から、当学科では次の項目の一つに該当するような資質・目標を有する人を求めます。

  1. 自然現象に強い好奇心を持ち、それらの謎を解明したい人
  2. 批判的精神に富み、論理的思考を得意とする人
  3. 野外作業の体力に自信があり、観察・作業を厭わない人
  4. 数学・理科が得意で、自分で問題を作ったり、自然現象に応用できる人
  5. 国際的に研究者・技術者として活躍したい人

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