神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2016.12.01

 国際研究集会「代数幾何学と可積分系、神戸2016」を開催します。

理学研究科数学専攻 教授 齋藤政彦
2016年12月1日

 神戸大学理学研究科において、国際研究集会「代数幾何学と可積分系、神戸2016」 (International conference on Algebraic Geometry and Integrable Systems, Kobe 2016) を2016年12月5日(月)から9日(金)の期間に開催します。

 代数幾何学は、多項式で定義された図形(多様体)を研究する学問で、代数と幾何学が結び付いた数学の分野です。 一方可積分系は, 空間の中の種々の運動を記述する良い性質を持った微分方程式系や離散力学系を扱っています。 日本は代数幾何学において3名のフィールズ賞受賞者をだし、また可積分系においても世界をリードする研究を続けています。 近年、一般相対性理論と量子力学を統一する可能性を持った理論として注目を浴びている超弦理論においても、見えない6次元の余剰空間として、 代数幾何学のカラビ・ヤヲ多様体が出現します。さらに異なるカラビ・ヤヲ多様体間における量子不変量と周期積分の関係を示唆するミラー対称性予想が 数理物理学で実例とともに提唱さていますが、このミラー対称性を数学的に厳密かつ一般的に理解する理論の構築も、現在進行中です。

 この研究集会では、米国、フランス、オーストリア、韓国、ハンガリーから9名、国内から11名の研究者が招聘され、代数幾何学の森理論に始まる高次元極小モデル理論、 代数曲線上のHiggs束、接続のモジュライ空間、表現多様体、リーマン・ヒルベルト対応、モノドロミー保存変形など、代数幾何学と可積分系の深い関係の背景に横たわる理論における最近の研究の進展についての 招待講演を行います。さらに、グロモフ・ウイッテン不変量などの量子不変量や、量子曲線、ミラー対称性予想、さらには幾何学的ラングランズ対応への展開についても議論します。

 神戸大学理学研究科数学専攻においては、科学研究費・基盤研究(S)「代数幾何学と可積分系の融合と深化(S24224001)」(H24-H28)(研究代表者・齋藤政彦理学研究科教授)の支援の下、 研究プロジェクトを推進してきましたが、この研究集会は研究プロジェクトの最終年度の総括として企画されました。

 詳しい情報は下記をご覧ください。

 http://www2.kobe-u.ac.jp/~mhsaito/1612kobe/index.html


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