神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2018.05.07

惑星学専攻の瀬戸雄介講師らが参加した共同研究チームが、月の地下に大量の氷が埋蔵されている可能性を示しました。

 東北大学学際科学フロンティア研究所・大学院理学研究科の鹿山雅裕助教と共同研究チーム(JAMSTEC, 神戸大, 京都大, 広島大, JASRIなど)は月隕石から「モガナイト」と呼ばれる鉱物を発見し、月の地下に眠る氷の痕跡であることを突き止めました。鹿山雅裕助教は2014/4-2016/3の期間、理学研究科惑星学専攻の惑星物質科学研究室(現:岩石学・鉱物学研究室)に学振PDとして在籍し、本論文の共著者である瀬戸雄介講師らとともに本研究を遂行しました。
 モガナイトは水が関与してできるため、地球以外の天体には存在しないというのが定説でした。しかし今回初めて、月隕石からモガナイトを発見し、その起源が月の水であることを明らかにしました。月の水は太陽光が当たる表面では蒸発してモガナイトを作り、温度が低い地下には氷として残ります。推定される氷の量は、岩石1立方メートルあたり少なくとも18.8リットルにも及びます。これは人類が月に居住する上で欠かすことのできない貴重な水資源であり、現在検討されている月探査計画でその詳細を明らかにすることが期待されます。
 本研究の成果は、日本時間の平成30年5月3日午前4時に米国科学誌「Science Advances」にオンライン公開されました。
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