神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2020.05.16

生物学専攻の加藤大貴助手・石崎公庸教授らの研究グループが、ゼニゴケを材料に植物ホルモン・オーキシン応答機構の基本原理を解明し、論文がNature Plants誌に掲載されました.

 神戸大学大学院理学研究科の加藤大貴助手(元Wageningen大学博士研究員)、石崎公庸教授と、Wageningen大学・Dolf Weijers教授、京都大学・河内孝之教授と西浜竜一准教授、 ALBAシンクロトロン・Roeland Boer博士らの研究グループは、植物ホルモンの1種であり、植物の発生・成長・環境応答の多くを制御するオーキシンに対する応答機構の基本原理を明らかにしました。 従来のモデル植物では高度な遺伝子重複のためその解明は容易ではありませんでしたが、陸上植物に共通かつ最小のオーキシン応答機構をもつ基部陸上植物ゼニゴケを用いることで、 オーキシン依存的に遺伝子発現を活性化する因子と、競合的に働く抑制因子によって感度が調整されるという仕組みがオーキシン応答の根底にあることを見出しました。 また、これらの因子の分布パターンの違いにより、オーキシン応答性の異なる発生ゾーンが作られることが示唆されました。今後この成果をベースに、 より複雑なオーキシン応答機構をもつ農作物などにおける仕組みを解析することで、植物の成長や形態を効率的に制御する技術につながると期待されます  詳しくは、こちらをご覧ください。

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