神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2020.07.27

惑星学専攻平田直之助教らの研究グループによって、木星衛星ガニメデ表面に太陽系最大規模の巨大クレーターが存在することを示した論文が Icarus誌に掲載されました。

 神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻の平田直之助教、同大槻圭史教授、大島商船高等専門学校の末次竜講師から成る研究グループは、 ボイジャー1号・2号とガリレオ探査機の撮影した画像を詳細に再解析し、木星衛星ガニメデに残る非常に古い溝状地形の方向の分布を調べました。 その結果、それらの地形の方向が、ある点を中心に、ほぼ衛星全体にわたって同心円状に分布していることを発見しました。 これは、この地形が衛星全体に及ぶ巨大な一つのクレーターの一部であることを示しています。 さらに国立天文台が運用する「計算サーバ」を用いたコンピューターシミュレーションにより、 この巨大クレーターは半径約150kmの小惑星が衝突した痕跡と考えられることを明らかにしました。 これは太陽系で最大規模の衝突の痕跡です。 ガニメデはJAXA宇宙科学研究所も参加して推進されている木星氷衛星探査計画(JUICE計画)の探査目標であり、 探査により本研究の結果が検証でき、木星の衛星系の形成と進化の解明が進むと期待されます。 この論文は7月15日に米国の国際学術雑誌 Icarus にオンライン掲載されました。  詳しくは、こちらをご覧ください。

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