神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2020.09.14

化学専攻の秋本誠志准教授,植野嘉文研究員らの研究グループが,ピングイオ藻の集光性色素タンパク質に観られる 特異的なエネルギー伝達機構の解析に成功しました

 岡山大学と神戸大学の共同研究グループは,ピングイオ藻から集光性色素タンパク質を精製し,時間分解蛍光分光法によりその独特なエネルギー伝達機構を解明しました。光合成では光エネルギーを利用して反応が起こりますが,強すぎる光は生物にダメージを与えます。強光下でも生存できる光合成生物は,太陽から受けたエネルギーを熱に変換するしくみ(消光機構)を持っています。これまで,陸上植物など様々な光合成生物で,酸性条件がきっかけとなり消光機構が駆動することが報告されてきました。今回,ピングイオ藻の集光性色素タンパク質において,アルカリ性条件により駆動する消光機構が初めて観測されました。光合成生物が様々な方法で光環境に対応してきたことを示す重要な結果です。
 本研究成果は9月11日、欧州の科学雑誌 「Biochimica et Biophysica Acta - Bioenergetics」にオンラインで掲載されました。
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