神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2021.04.08

化学専攻の津田明彦准教授とAGC(株)の産学連携グループが、医薬品中間体や農薬などの合成に用いることができるビルスマイヤー試薬の光オン・デマンド合成に成功しました。

 化学専攻の津田明彦准教授およびAGC株式会社の産学連携グループが、医薬品中間体や農薬などの化学薬品の合成に用いることができるビルスマイヤー試薬の光オン・デマンド合成法の開発に成功しました。特許出願(2018年9月)および論文掲載の決定を経て、その研究成果が、2021年4月8日の化学工業日報1面で紹介されました。

 上記グループは、DMFのクロロホルム溶液に紫外光を照射すると、アルデヒド、ケトン、カルボン酸塩化物、およびエステルなど、医薬品中間体や農薬などの化学薬品の合成に用いることができるビルスマイヤー試薬(イミニウム塩)が、高収率・高純度で得られることを見出しました。この光化学反応は、効率、安全性、コスト、環境の面から、実験室および工業レベルの有機合成に大きな恩恵を与えることが期待されています。

 本発明は2018年9月に特許出願(2019年9月 PCT優先権主張出願, 2020年3月 特許公開)を行い、学術論文が2021年3月30日に「The Journal of Organic Chemistry」に掲載されることが決定しました。

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