神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2021.05.25

惑星学専攻の杉岡裕子教授らの研究グループが、世界最大の巨大海台であるオントンジャワ海台の成因に関わる地震学的・岩石学的証拠を見出し、Communications Earth & Environment誌に掲載されました。

 オントンジャワ海台は西太平洋の赤道付近に位置する巨大な海底の高まりで、広さは日本国土の4倍以上に及びます。約1億2千万年前に極めて激しい海底火山活動によって形成され、当時の地球環境を激変させたと考えられています。しかし、海台の地下構造が調査されていなかったため、火山活動の原因は未解明でした。
 惑星学専攻の杉岡裕子教授らの研究グループは、海台の地下構造を推定するためにオントンジャワ海台を含む海域で実施された海底地震観測のデータを使用して、オントンジャワ海台下でプレートの底が周囲より40km深いことを明らかにしました。さらにオントンジャワ海台の岩石学的な研究結果を考え合わせて、オントンジャワ海台の火山活動は地球深部から上昇してきた熱組成プルームによることを提案し、地表に噴出したマグマの融け残りが海台に貼り付いてプレートが厚くなったことを世界で初めて示しました。この成果は白亜紀の地球環境変動の理解を深めるだけでなく、将来発生する巨大火山活動の発生メカニズムや地球環境変動への影響を予想するための指標となるものです。
 この研究成果は、5月22日に、英国科学誌Communications Earth and Environment(Nature Publishing Group)に掲載されました。
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