神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2021.05.25

物理学専攻の小手川恒准教授、藤秀樹教授らの研究グループが、遍歴強磁性の磁気秩序状態が低温・高圧で不安定になる機構について報告した論文がPhysical Review誌にEditors' Suggestionとして掲載されました。

 物理学専攻の小手川恒准教授、藤秀樹教授はアイオワ州立大学のK. Rana博士(2018年に神戸大学にvisiting research fellowとして在籍)、古川裕次教授らとの共同研究で、遍歴強磁性体LaCrGe_3の低温における磁気的性質について調べました。遍歴強磁性体は圧力などによってその転移温度が絶対零度に近づくと強磁性状態が不安定になり、突然強磁性状態が消失したり、反強磁性状態に移り変わることが知られていましたが、その詳細な機構については未解明な部分が多い状態です。本研究によりLaCrGe_3は高圧下で強磁性的な相互作用を残しているのにもかかわらず、純粋な強磁性相が実現しないことが明らかになりました。本結果は強磁性相転移が低温で起こることを妨げる強い理由が存在することを示しています。
 本研究成果は令和3年5月21日にPhysical Review B誌にオンライン掲載されました。
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