神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2021.08.20

生物学専攻の近藤侑貴准教授らの研究グループは、植物の再生時にみられる様々な生理応答を統合的に制御する分子を発見し、その成果がNew Phytologist誌に掲載されました。

 私たちの体は、傷がつくと傷口をふさいで治そうとすると同時に、病原菌の侵入や繁殖を抑えようとする免疫応答が起こります。植物も同様に、傷口で組織の再生や防御応答など多様な生理反応が活性化しますが、これらの反応を統合的に制御する分子の存在は知られていませんでした。今回、理研環境資源科学研究センターの岩瀬哲上級研究員、杉本慶子チームリーダー、アヌポン・ラオハビシット研究員、白須賢グループリーダー、神戸大学大学院理学研究科の近藤侑貴准教授、新潟大学理学部の池内桃子准教授、帝京大学理工学部の朝比奈雅志准教授、京都先端科学大学バイオ環境学部の福田裕穂教授らの共同研究グループがWINDと呼ばれる転写因子が傷口のカルス化だけでなく、道管の再形成や病原菌への抵抗性獲得に重要な働きをしていることを発見しました。これらの成果は、組織培養技術を用いた増産や品種改良、接ぎ木の効率化、病害抵抗性付与など、植物による持続的な食料・バイオマスの生産に貢献する技術開発につながると期待できます。
 本研究は、科学雑誌『New Phytologist』のオンライン版(8月10日付)に掲載されました。詳しくはこちらをご覧下さい。

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