神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2021.10.04

化学専攻の小堀康博教授ら研究グループは、生物が示す地磁気の感受性の起源と考えられている磁気コンパスについて、タンパク質結合水の運動による役割を明らかにしました。

 化学専攻の小堀康博教授、婦木正明助手と博士前期課程(当時)の濱田美里さんは、東邦大学薬学部の岩田達也准教授、名古屋工業大学オプトバイオテクノロジー研究センターの神取秀樹教授、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクのStefan Weber教授らとの共同研究で、動物の光磁気感受に重要な役割を果たすと考えられている光受容タンパク質における中間体の立体構造解析を電子スピン共鳴法によって行い、磁気コンパス特性を発現するタンパク質内部の電子的機能の詳細を明らかにしました。 この成果は、渡り鳥など様々な生物が示す光と地磁気の感受性の起源と考えられている磁気コンパスにおいて、タンパク質結合水の運動性による役割を初めて示したものです。この知見から、生体分子を用いる微弱な磁気センサー開発への応用や、生物による光磁気感受に関わるシグナル伝達のしくみの理解を前進させるものとして期待がもたれます。
 本研究成果は、2021年9月30日に英国科学誌「Communications Chemistry」に掲載されました。
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