神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2022.01.13

化学専攻の小堀康博教授ら研究グループは、光吸収による励起子反応効率200%を実現する材料設計の新概念を実証し、ACS Energy Lettersに掲載されました。

 慶應義塾大学理工学部の羽曾部卓教授、大学院理工学研究科博士課程3年(研究当時)の中村俊太(現 学振特別研究員(PD))と、神戸大学分子フォトサイエンス研究センターの小堀康博教授らの研究グループは、有機材料の光照射により吸収された光子数に対して二倍の励起子へ変換する「一重項分裂」の高効率化による有用なエネルギー利用の実現に向けた新たな材料設計の新概念を提案し、実証実験にて励起子生成効率200%を達成しました。電子スピン共鳴法により、中間体の構造変化による長寿命な励起子生成の機構が実証され、光線力学療法(光による癌治療)・有機合成等に有用な一重項酸素(活性酸素の一種)の発生などの有用性を明らかにしました。今後は、太陽光を用いたエネルギー変換・エレクトロニクス・量子情報通信・生命/医療分野等への貢献が期待されます。

 この研究成果は、2021年12月27日に、米国科学誌「ACS Energy Letters」(impact factor: 23.101)のオンライン版に掲載されました。

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