神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2022.01.13

惑星学専攻博士課程前期課程1年の瀬下幸成さんと都市安全研究センターの吉岡祥一教授は、2018-2019年に豊後水道下で発生した長期的スロースリップイベントのすべりの時空間分布を明らかにし、同研究成果がScientific Reports誌に掲載されました。

 四国と九州の間に位置する豊後水道下では、フィリピン海プレートがアムールプレートの下に北西方向に沈み込んでいます。この地域下のプレート境界では、数ヶ月から数年の継続時間を持つ長期的スロースリップイベント(L-SSE)が約6年の間隔で繰り返し発生しています。惑星学専攻博士課程前期課程1年の瀬下幸成さんと都市安全研究センターの吉岡祥一教授は、国土地理院が提供しているGNSS時系列データを用いて、2018-2019年に発生したL-SSEのすべりの時空間分布を解析しました。

 その結果、このイベントは2つのサブイベントに分けられ、1つ目のサブイベントは2018.3年~2018.7年(0.1年 = 36.5日)に豊後水道の南西側のプレート境界で、2つ目のサブイベントは2018.8年~2019.4年に豊後水道直下のプレート境界で発生したことがわかりました。GNSSデータを用いて見出されている過去の豊後水道L-SSEの解析結果と比較すると、2018-2019年のL-SSEは、最も継続時間が短かったにもかかわらず、すべり量、すべり速度、地震モーメント、モーメントマグニチュードは、いずれも最大でした。また、すべりの発生場所やすべり分布、サブイベントの発生順は、いずれも2002-2004年のL-SSEと類似していることもわかりました。

 この成果は、1月10日(イギリス時間午前10時)に、英国Nature Publishing Groupのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。

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