神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2022.08.31

生物学専攻の尾崎まみこ教授(研究当時)、化学専攻の松原亮介准教授らが、アリ由来物質の"仮想敵"効果と その神経行動学的作用機構を解明しました。

 奈良女子大学、京都府立大学、筑波大学、国立臺灣大学(台湾)、テルアビブ大学(イスラエル)、神戸大学の共同研究グループは、 日本固有の普通種であるクロオオアリが体表に分泌する全炭化水素成分を合成するなどし、 そのうち微量成分として検出される(Z)-9-トリコセンが、南米から世界中に生息域を拡大して人々の生活や 経済活動に多大な被害を及ぼすアルゼンチンアリやヒアリに対し安全、強力、かつ持続性の高い忌避剤として 作用することを示しました。(Z)-9-トリコセンが忌避行動を引き起こす閾値(最低用量)はアルゼンチンアリや ヒアリに対して特に低く、在来アリがはっきりとした忌避行動を示すには更に多くの用量が必要でした。 そのため、この忌避剤を適量用いて従来の殺虫剤主体の駆除法と効果的に組み合わすことで、 在来種を駆逐せず環境の保全や生物多様性の維持に配慮した侵害種防除の実現が期待できます。 詳しくは, こちらをご覧下さい。

ニュース一覧