神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2023.02.06

惑星学専攻博士前期課程の河端さんと都市安全研究センターの吉岡教授は、日本周辺で起こるスロースリップイベントの歪の蓄積と解放の関連を解明し、 研究成果がScientific Reportsに掲載されました。

 日本列島は、海洋プレートと大陸プレートの相互作用による地殻変動が活発な地域です。特に、豊後水道や東海地方、房総沖などの地域下にあるプレート境界では、スロースリップイベント(SSE)と呼ばれる、継続時間の長い非地震性のプレート間すべりが数年間隔で発生しています。神戸大学 大学院理学研究科惑星学専攻 博士課程前期課程1年の河端浩希氏と神戸大学 都市安全研究センターの吉岡祥一教授は、国土地理院が提供しているGNSS時系列データを用いて、豊後水道や東海地方、房総沖で発生したSSEを解析し、その発生前後の歪の蓄積と解放の関連性を解析しました。

 その結果、いずれの地域においても、SSEの発生前に蓄積していた歪の全てが解放されるわけではないということがわかりました。また、これらの歪の解放は、その直下のプレート境界のみで発生しているのに対し、歪の蓄積は、その領域のみならず、プレート境界のより浅部側、すなわち、将来、海溝型巨大地震が発生する可能性がある領域でも起こっている可能性が高い、ということもわかりました。

 

 この成果は、1月25日に、英国Nature Publishing Groupのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。 詳しくは こちらをご覧ください

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