神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2023.03.18

生物学専攻の末次健司教授が、庭やベランダから生えてきた植物が新種の「ラン科植物」であったことを解明し、その成果をJournal of Plant Research誌に発表しました。

 ラン科植物は、胡蝶蘭などのように華やかで美しい花を咲かせることで有名です。一方、高貴で珍しいというイメージを持たれがちなラン科植物でありながら、ネジバナは、芝生のような身近な環境でもよく見られ、古くから人々に親しまれてきました。 このネジバナの仲間として、日本にはネジバナとナンゴクネジバナの2種が分布していることが知られています。 但し、ナンゴクネジバナは奄美大島以南でしか見られないため、九州以北の「ネジバナ」はネジバナの1種のみと長らく考えられていました。 神戸大学大学院理学研究科の末次健司教授らの研究グループは、日本全国のネジバナの分類・生態学的な調査を行い、 九州以北の「ネジバナ」の中に名前がついていない種が含まれることを解明し、今回発表された新種が最も多く見つかった八丈島の名を冠し 「ハチジョウネジバナ」と命名しました。この新種は、可憐な花をつける美しい植物ですが、ネジバナ同様、芝生や公園などの身近な環境でみることができます。 実は、新種の標本には、「庭やベランダから変なネジバナが勝手に生えてきた」と一般市民から提供いただいたものも含まれています。 今回の成果は、私たちが日常的に触れる自然の中にも、未知の世界があることを再認識させてくれる発見といえます。

 本研究成果は、3月17日に、国際誌「Journal of Plant Research」にオンライン掲載されました。 詳しくはこちらのページをご覧ください。

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