研究関連

惑星学専攻の保井みなみ講師が、令和5年度の「前之園記念若手優秀論文賞」を受賞しました

2023/07/28

保井みなみ講師は太陽系天体の成長や多様性と関連する衝突現象(天体衝突や衝突クレーター形成)について、室内衝突実験を主な研究手法として研究を行っています。今回受賞した論文は、保井みなみ講師が携わっている小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウで行った人工クレーター形成実験に関連した研究です。

小惑星リュウグウは数m以上の大小様々な岩塊で覆われており、このような小天体で衝突が起こると、岩塊が破壊されてクレーターが小さくなる、または形成されないと言われていました。しかし、実際形成した人工クレーターは予想に反して大きくなりました。この結果に対し、本論文では岩塊のサイズ分布に着目した高速度衝突実験を行い、弾丸が衝突しても有意に大きなクレーターが形成される最小の岩塊サイズを見積もり、経験則を導きました。そして、その経験則からリュウグウの人工クレーターが大きくなった原因を予測しました。この論文は、惑星科学で最もインパクトファクターが高い Journal of Geophysical Research-Planetsに掲載され、さらにこの研究の重要性が認められて、掲載号の表紙に論文中の写真が採用されました。

7月7日に前之園記念若手優秀論文賞表彰式が催されました。論文賞や表彰式の詳細はこちらをご覧ください。

授賞対象の論文へのリンク

DOI:10.1029/2021JE007172