神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2023.12.19

生物学専攻の鎌田真司教授、片所諒子さん(博士後期課程)らの研究グループが、50年以上前に報告された老化細胞が巨大化する現象について、その分子メカニズムと生理的意義の解明に世界で初めて成功し、その成果をScientific Reports誌に発表しました。

老化した細胞の蓄積が、個体老化や老化関連疾患の原因となったり、がんの悪性化やがん治療の副作用の原因となることから、老化細胞を除去することが有効な治療方法となる可能性が示されています。一方、50年以上前に報告された老化細胞が巨大化する分子メカニズムとその生理的意義については、これまで全く不明でしたが、今回、巨大化を制御する遺伝子としてネクチン-4を同定し、老化細胞の生存維持に働くことを世界で初めて明らかにしました。これまでにネクチン-4を標的とした抗ネクチン-4抗体-薬物複合体が開発され、膀胱がん患者の治療のために臨床応用されていますが、今後、老化細胞を除去するためにも利用できる可能性があり、新たな抗老化薬や抗がん剤の開発につながることが期待されます。

本研究成果は、12月7日に、国際誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。
詳しくはこちらのページをご覧ください。

ニュース一覧