研究関連
物理学専攻の伏屋雄紀教授、山田暉馨特命助教らの研究グループによる論文が Journal of the Physical Society of Japan誌のEditors' choice に選ばれました
2025/04/08
日本物理学会が発行する国際学術誌 "Journal of the Physical Society of Japan"では、優れた成果を表彰するため、Editors' Choice論文を選出しています。 今回、物理学専攻の伏屋雄紀教授と山田暉馨特命助教が参画する研究チームによる論文がそのEditors' Choiceに選ばれました。
東京大学物性研究所、東北大学金属材料研究所、東京都立大学、東京理科大学、電気通信大学、神戸大学の共同研究チームは、ビスマスとアンチモンの合金 Bi1-xSbx(x ∼ 0.04) に強い磁場を印加して「量子極限*」に到達することで、特異な絶縁体的性質を示すことを発見しました。この物質は通常、金属のように電気を通しますが、 最大60テスラの磁場をかけると、急激に電気抵抗が上昇して電気が流れにくくなり、絶縁体のような性質を持つことが観測されました。量子極限の物質では、量子効果が顕著に表れると期待されていますが、 その性質は未だほとんど明らかになっておらず、物理学研究の最前線となっています。この研究は、謎に包まれた量子極限の性質の一端を明らかにしたもので、 量子世界の新しいサイエンスの開拓につながることが期待されます。
量子極限*: 強い磁場の中では、電子のエネルギーはとびとびの値に量子化されます。さらに強い磁場をかけると、最も低いエネルギーにすべての電子が閉じ込められます。これを量子極限とよびます。
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