研究関連

物理学専攻の伏屋雄紀教授および鯉江和希さんらの研究グループが、表面の微小変化が生む"量子錯覚"のメカニズムを解明した研究成果を速報論文(Letter)としてPhysical Review B誌に発表しました

2025/05/19

 神戸大学大学院理学研究科の伏屋雄紀教授および鯉江和希特別研究学生(研究当時)、電気通信大学の矢口理香子大学院生(研究当時)の研究グループは、 物質表面における原子の並びがわずかに変化することで、本来の「量子的な性質(トポロジー)」が覆い隠されてしまう現象を理論的に発見しました。 まるで仮面を被るように、物質の表面が中身とは異なる“顔”を見せるこの現象は、「量子の仮面」とも呼べるものです。 これにより、20年近くにわたって研究者の意見が分かれていた、ビスマスという物質のトポロジーの謎に、解決の糸口が見えてきました。

 この研究成果は、従来信じられてきた「バルク・エッジ対応」という原理(表面を見れば中身が分かる)が、必ずしも通用しないことを示すもので、 量子コンピューターやスピントロニクスといった最先端技術への応用も期待される「トポロジカル物質」の理解に新たな進展をもたらします。

 本成果は、米国物理学会の学術誌「Physical Review B」 の速報論文(Letter)として、5月15日に掲載されました。

 詳しくはこちらのページをご覧ください。