第5回 理学部ホームカミングデイ
日 程
2010年10月30日(土) ⇒
開催ニュース
受 付
13:30〜
理学部Z棟2階
14:00〜14:10
理学部長挨拶
理学部Z棟2階201,202多目的室
14:10〜15:40
サイエンスフロンティア研究発表会
学生によるポスター講演
理学部Y棟2階
各学科
15:40〜16:20
講演会「表面を化学する」
講師:大西 洋 教授
(主催:化学科同窓会)
理学部Z棟1階103室
16:30〜18:00
懇親会 (参加費:3,000円)
理学部Z棟2階201,202多目的室
併設展示
ポスター展示、各学科ポスター展示
『表面を化学する』
講師:大西 洋(化学科教授)
直径4ミリの水滴は1021個の水分子を含んでいます。あなたが水分子の形や性質を知りたいとしましょう。水滴に含まれる多数の水分子から情報を集めて、その平均を個々の分子にわりあてるのがふつうのやり方です。いわば国勢調査の結果から日本人の平均像を描くようなものです。こうして描いた分子の平均像を信用してよいのは、水中にあるすべての水分子が等価だからです。水滴の内部と表面に存在する分子は本当に等価でしょうか? こたえは否です。内部の分子は仲間に取り囲まれていますが、たまたま表面に顔をだした分子は大気と接触しています。まわりの環境がこれだけ異なると、分子の性質が変化しても不思議はありません。
表面に顔をだしている分子は圧倒的に少数です。4ミリの水滴であれば内部の分子300万個に対して表面分子1個の割合になります。分子はその形や性質に応じて電磁波(光や電波)を吸収します。水滴に電磁波をあてて、水滴が吸収する電磁波を測定して表面分子の性質を調べようとしても、300万倍も強い内部分子による吸収覆いかくされてしまってうまくゆきません。対象が固体であれば、針で表面をなぞって凹凸を記録することが思い浮かびます。単純な原理ですが、とことん精密に実行することで、固体の表面に並んでいる原子や分子の姿を写し取ることができます。このような実験法(走査プローブ顕微鏡法と総称されます)を用いた表面研究について紹介します。
略歴
1985.3 東京大学理学部化学科卒業
1989.6 東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程中退
1989.7 東京大学理学部助手
1997.12 東京大学大学院理学系研究科助教授
1999.4 (財)神奈川科学技術アカデミー大西「極限表面反応プロジェクト」研究室長
2004.5 神戸大学理学部教授
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