物理学専攻・素粒子実験グループが参加しているT2K実験で
捉えた「電子型ニュートリノ出現現象の兆候」が、英国物理学会
Physics World誌による「2011年の物理学における10大成果」
に選ばれました。
2012.02.01
T2K実験(Tokai to Kamioka, 東海-神岡間長基線ニュートリノ振動実験)は、茨城県の東海村にある大強度陽子加速器施設(J-PARC)で人工的に作られたニュートリノビームを、295km離れた岐阜県飛騨市の神岡坑内にあるスーパーカミオカンデ検出器で精密観測し、ニュートリノ振動現象の解明を目指す国際共同実験です。
研究グループは、2011年6月に、ミュー型のニュートリノビームからニュートリノ振動現象によって電子型のニュートリノが出現する現象の兆候を捉えたことを公表しました。この成果は、レプトンセクターのCP対称性の破れの測定が不可能ではないことを示唆するものであり、ニュートリノ物理学の大きな進展が期待されます。今回の選出はこの成果によるものです。
詳しい情報は以下をご覧ください。
・Physics World: "top 10 breakthroughs for 2011"
http://physicsworld.com/cws/article/news/48126
・高エネルギー加速器研究機構の関連記事
http://www.kek.jp/ja/NewsRoom/Release/20111227120000/
・神岡宇宙素粒子研究施設の関連記事
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/whatsnew/new-20110615.html
・米国物理学会の関連記事
http://www.aps.org/about/physics-images/detector.cfm
・T2K実験の論文: Phys. Rev. Lett. 107, 041801 (2011)
http://physics.aps.org/featured-article-pdf/10.1103/PhysRevLett.107.041801
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