神戸大学 大学院理学研究科・理学部

研究トピックス

2次元の結び目を視る

数学科・数学専攻 幾何学教育研究分野 佐藤 進 教授

佐藤 進 教授  最近、靴ヒモを結んだり、絡まった電気コードをほどいたりしましたか?「結び目」は私たちの生活の様々な場面に登場します。ヒモの結び方にはいろいろな方法が知られていますが、「結び目」にはどれくらいの種類があるのでしょうか?

 数学には、結び目を研究する「結び目理論」という分野があります。研究対象としている結び目は、3次元空間(私たちの目の前に広がるタテ・ヨコ・奥行きのある空間)の中に、円周(いわゆる、輪っか)が絡まった状態で存在しているものを指します。

 実は結び目の種類は無限にあることが知られています。下図に結び目のリストの最初の部分を挙げておきました。結び目の研究の面白いところは、紙にたくさん結び目の絵を描いて、どれとどれが同じか、異なるのかを「数学的に」証明するところです。

 ところで、さらに次元を1つ上げると「2次元結び目理論」という分野に出会います。4次元空間(タテ・ヨコ・奥行きに加えてもう一つ独立な方向がある空間)の中に、曲面(ボールや、ドーナツの表面、2人乗りの浮き輪のようなもの)が「絡まった」状態で存在しているものを研究する分野です。これを「2次元の結び目」といいます。

 2次元の結び目なんて視えないじゃないか!と思うかもしれません。ところがそんなことはないのです。右下図に、ほどけない2次元の結び目の絵を描いておきました。私の研究は、2次元の結び目を視覚化してそのリストを作成することです。ぜひ手伝ってください。




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