神戸大学 大学院理学研究科・理学部

研究トピックス

世界最大の粒子加速器と最先端の技術を使って新しい物理法則を探る

物理学科・物理学専攻 粒子物理学教育研究分野 前田 順平 講師

前田 順平 講師  我々の体や身の回りの「もの」を構成している最小の要素は何でしょうか?それらにはどんな力が働いているのでしょうか?素粒子と呼ばれるその最小要素の研究から全てを記述することができる物理法則を実験的に探求しています。

 これまでドイツの電子陽子衝突実験ZEUSや、フランスのニュートリノ振動実験Double Chooz等、様々な素粒子実験で第一線で携わってきました。神戸大に着任後はスイスにあるCERN研究所にある世界最高エネルギーの陽子衝突型加速器LHCを用いた、ATLAS実験に参加しています。このATLAS実験は世界各国から3000人以上が参画しており、神戸大のATLAS実験グループは他の大学等と協力して、ミューオン検出器とそれを用いたトリガーシステムの開発・運用を主導的に行っています。

 素粒子実験では測定器の製作、読み出し回路やデータ収集システムの設計、膨大な量のデータを解析するソフトウェア技術やプログラミング、そしてもちろんデータの背後にある物理現象の理解と様々な知識が必要になります。そのために常に最先端の技術を取り込み、無ければ自分たちで作る、という思想のもと研究を行っています。写真は大学院生が実際に回路図を書いて製作された電子回路でATLAS実験に組み込まれます。

 次の新物理の発見を目指して、大学院生と協力して毎日頑張っています。少しでも興味を持ったらぜひ神戸大学で一緒に研究しましょう。

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