研究関連
末次健司教授らの研究グループは、菌根ネットワークを介した植物間の炭素移動が、受け手側の植物の成長に寄与することを実証し、その成果をMycorrhiza誌に発表しました
2026/06/09
植物は光合成によって自らの成長に必要な炭素化合物をつくりますが、多くの植物の根にはアーバスキュラー菌根菌と呼ばれる菌類が共生しています。
この菌類は、植物から炭素化合物を受け取る代わりに、土壌中の養分を植物に供給しています。
さらに近年、このような菌根ネットワークを介して、植物同士の間でも炭素が移動する可能性が指摘されてきました。
しかし、アーバスキュラー菌根菌を介した炭素移動は、通常の同位体分析では検出しにくく、実際に起きているかどうかを確かめることが難しい現象でした。
今回、末次教授らは、C3植物とC4植物で炭素同位体比が異なるという性質を利用しました。植物の根同士は接触しない一方で、菌根菌の菌糸だけが通れるU字型ポットを用いてコケリンドウを育てたところ、
C4植物とともに育てた個体では、C4植物に由来すると考えられる炭素のシグナルが検出されました。さらに、そのシグナルが強い個体ほど良好な成長を示しました。
この結果は、菌根ネットワークを介して植物間で炭素が移動し、その炭素が受け手側の植物の成長に寄与することを示しています。
本研究は、これまで検出が難しかった地下の炭素移動をとらえる新しい実験手法を示すとともに、植物と菌類の関係を理解するうえで新たな視点を提供する成果です。
詳しくは こちらのページ をご覧下さい。