研究関連
末次健司教授は、光合成をやめた寄生植物「リュウキュウツチトリモチ」の種子を、オカヤドカリが運んでいることを明らかにしました。オカヤドカリが植物の種子散布者として機能することを実証したのは、世界初です。本研究成果は国際誌 Ecology に発表されました
2026/08/11
植物は自力では移動できないため、種子を親植物から離れた場所へ運ぶことは、分布を広げ、次世代を残すうえで欠かせません。 しかし、暗く風通しの悪い林床に生育する植物では、種子がどのように運ばれるのか分かっていない例が少なくありません。 リュウキュウツチトリモチも、長さ約0.3 mmの“ほこり”のように小さな果実を大量につけますが、その散布方法はこれまで謎に包まれていました。
末次教授は、石垣島の森林で昼夜にわたる直接観察とインターバルカメラによる調査を行いました。その結果、果実を主に食べていたのはオカヤドカリで、 ハサミや体表、背負っている貝殻には多数の果実が付着していました。果実を食べている個体には平均で数十個、個体によっては100個以上の果実が付き、 親植物から5 m以上離れた場所でも、果実を付けた個体が確認されました。さらに、糞からは無傷の種子が見つかり、その一部は消化管を通過した後も生存能力を保っていました。
これらの結果から、オカヤドカリは、果実を体や貝殻に付けて運ぶ方法と、果実を食べた後に生きた種子を糞とともに運ぶ方法という二つの経路で、植物の種子散布に貢献していることが示されました。 本研究は、暗い林床に暮らす無脊椎動物が果たす、これまで見過ごされてきた役割に光を当てるものです。 詳しくはこちらのページをご覧ください。