修了生

石井 友一朗(いしい ゆういちろう)

修了:理学研究科 惑星学専攻 博士課程後期課程(2025年3月)
現職:株式会社BONSAIENCE

専門を深め、研究仲間と視野を広げる博士課程後期課程を

私は、修士号を取得後に一般企業に勤めてから博士課程後期課程にあらためて入学し、博士号を取得しました。現在は、博士課程後期課程の期間に出会った仲間たちと会社を設立し、そこで活動をしています。

私が博士課程後期課程への入学を決めた動機としては、博士課程前期課程修了後に会社員として働く中で、もう一度腰を据えて研究活動をしてみたいと思ったこと、そして色々なタイミングが重なったことが大きいです。思い立ったが吉日、とまでは言いませんが、他の方たちに比べると少々突発的に入学を決めたのではないかと振り返ります。それでも、私は博士課程後期課程へ入学すると決断して良かったと感じています。

博士課程後期課程に入学することの利点は、研究に適した環境で専門的な知識や研究スキルを身に付けられること、自身の研究をより大きい裁量の下で実施できるとこ、そして良い研究仲間を得るチャンスがあることだと考えます。ここでは特に、良い研究仲間を得るチャンスについて、私の体験も交えつつ紹介しようと思います。

博士課程後期課程に進むと、学会や研究会に参加する機会も増えると思います。その中でも、学際的な領域、ないし広範の学術分野をカバーしているような学会や研究会に参加すると、思いがけない出会いをすることができます。お互いに専門分野が異なるからこそ得られる新たな視点や考え方を与えてくださる方々は、自身の研究にとって刺激的な存在になると同時に、自身の視野を広げてくれる存在になると思います。そして特に若手研究者、中でも同じ博士課程後期課程の学生との交流は貴重な体験になると思います。年代や境遇も近い故に、ざっくばらんに議論や様々な話ができる研究仲間となりうる、というのが大きいです。

実際に私も、理論生態学・進化学に関する研究会で、現在の会社に繋がる共同研究・プロジェクトメンバーの一人に出会いました。当時、私は系統樹の樹形解析に関する研究を、彼はゲーム理論やネットワーク科学に関する研究の発表を行っていました。もし仮に、お互いがより専門性の高い(より狭い学術領域)の学会や研究会のみに参加していたら、このような出会いは無かったでしょう。ちなみに、当時研究会で使用した宿泊施設で相部屋となった、という巡り合わせも大きかったです。相部屋でのおしゃべりの中で、彼が興味を持っている盆栽について、私の研究内容を応用すれば盆栽の樹形解析や樹形美への科学的アプローチができるのでは、という話が盛り上がった結果、共同研究を行う運びとなりました。そしてその共同研究・プロジェクトが進展して、現在の会社の設立とそこでの活動にまで繋がっています。

実は私は、様々な学会や研究会に飛び込んでいき研究発表や人脈づくりをする、というのが得意な気質ではありませんでした。それでも今は、時には横の広がりや繋がりも求めて学会や研究会に参加するのも良いと考えています。

自身の専門分野外の人と関わりの中で得られる、研究仲間や様々な視点、そして広がっていく自身の視野は、博士課程後期課程修了後の進路に関わらず、重要な財産になると思います。博士課程後期課程の中で、自身の専門分野を深めること、そして人脈と視野を広めること、その両方に積極的にチャレンジしてみてほしいと思います。

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