神戸大学 大学院理学研究科・理学部

理学研究科長から

理学研究科長  理学部・理学研究科は、自然科学の基礎である理学諸分野における教育と研究を行っています。今から約138億年前の「ビッグバン」で誕生した宇宙の中で星々が生まれ、多数の銀河ができました。その過程で種々の元素が作られました。多数の銀河の中の一つの銀河の中の1つの星、太陽の第3惑星にそれら種々の元素を基に生命が誕生し、その末裔がわれわれ人類です。理学とはそのような悠久の流れに隠された「自然の仕組み」を理解する学問であると言えます。これまで人類は、「自然の仕組み」を理解するために膨大な努力をしてきました。いろいろな自然現象を注意深く観察し、データを整理し、法則性を発見すること、そしてその法則を論理的に説明し普遍的に成り立つ理論を展開すること、さらにその理論を実験で確かめること、そのような地道な努力の積み重ねにより現代の自然科学が成り立っています。天動説から地動説への転換、元素周期表、相対性理論、素粒子、DNA二重らせん構造、化学浸透圧説など、自然科学分野における画期的な発見は私たちの世界観の基本的変革をもたらし、更なる研究への興味をかきたて、そして次の大発見へと導いてきました。 近年の科学技術の急激な発展に伴い、科学技術の基盤となる理学分野の教育と研究の重要性はますます増加しています。観測、論理的思考、実証主義の伝統を基礎として、人間の自然に対する認識を豊かにしていくことが、理学部・理学研究科の基本理念です。

 この基本理念に立ち、神戸大学理学部・理学研究科は伝統的な学問体系を基とした5つの分野、即ち、数学、物理学、化学、生物学、惑星学、から構成されています。私たちはこの様な構成が自然科学の基礎を学び、そして研究を進展させる上で最も適した形であるとの信念を持っています。

 これまで1学年の学生数は、理学部では140名(3年次編入生を入れて165名)、大学院理学研究科の前期課程で120名、後期課程で30名でしたが、私たちの長年の要求が稔り、本年度から学部新入生の入学定員が13名増えて153名となりました。また大学院後期課程は28名に変更となりました。一方で理学研究科及び関連研究センターには115名ほどの各教育研究分野で国際的に活躍する教員を擁しており、理学部学舎や近接する自然科学総合研究棟において教育と研究を行っています。この10数年をかけて行った学舎大改修とそれに続く学舎再編によって、講義室やラーニングコモンズのスペースが整備され、また関連する研究分野の研究室・実験室の集中化とその整備が行われてきました。これによって、教員と学生が教育と研究の両面で密に接することができるような少人数専門教育が可能となっています。この少人数専門教育こそが神戸大学理学部・理学研究科の大きな特徴です。

理学分野の研究には何よりもまず旺盛な知的好奇心と、物事を深く考え、正しく理解したいという強い欲求が必要です。そのためには、基礎となる理論体系や実験手法を身に着けることが必要ですが、神戸大学理学部・理学研究科の各学科、各専攻では、十分な基礎および専門に関する能力が身に着く様に、良く練られた体系的なカリキュラムが整備されています。

近年、グローバル化の急速な進展に伴い、我が国の大学の国際化と国際競争力の向上が重要な課題となっています。理学部では本年度から学部1,2年生を対象とした「理学グローバルチャレンジプログラム」を開始しました。これにより、海外協定校への学部生の短期留学を積極的に推進する予定です。さらに来年度からは大学院前期課程において外国人留学生を対象として、その修学期間中、英語のみで単位を取得し終了する事ができる「英語コース」を設ける予定です。これにより外国人留学生の積極的な受入を推進致します。

 このように、神戸大学理学部・理学研究科は総合的に見て全国のどこの大学にも負けない充実した教育と研究を行えるような設備と環境が整っています。知的好奇心に富み、未知の分野に意欲的に挑戦しようとする若い皆さんが、この六甲山麓の美しいキャンパス内で学び、そして世界に羽ばたいてくれることを期待しています。

[理学部長・理学研究科長 鍔木 基成]