神戸大学 大学院理学研究科・理学部

理学研究科長から

理学研究科長  理学部・理学研究科は、自然科学の基礎である理学諸分野における教育と研究を行っています。神話の時代から、人類は、様々な自然現象を理解するために大変な努力をしてきました。現象を注意深く観察し、データを整理し、法則性を発見すること、そしてその法則を論理的に説明し普遍的に成り立つ理論を展開すること、さらにその理論を実験で確かめること、それらの地道な積み重ねが現代の自然科学の基礎をなしています。

 16世紀の後半コペルニクスが地動説を展開した動機は、それまで信じられていた天動説では、天体観測のデータや暦のずれを説明できないことでした。地動説はすぐには、一般の人々には受け入れられませんでしたが、様々な観測や実験により地動説の正しさは証明され、現代では正しい認識として広く認められています。その後も、微積分学や古典力学の基礎づけ、相対性理論・量子力学の構築、さらにはDNAの二重らせんの発見など、自然科学分野における画期的な発見は、私たちの世界観の基本的変更をもたらし、更なる研究への興味をかきたてきました。また現代の科学技術の大きな発展にともない、科学技術を基盤から支える理学の教育と研究の重要性はますます増しています。観測、論理と演繹、実証主義の伝統を基礎として、人間の自然に対する認識を豊かにしていくことが、理学部・理学研究科の基本理念です。

 神戸大学理学部・理学研究科は数学、物理学、化学、生物学、惑星学の5つの分野で学科および専攻を構成しています。1学年の学生数は、理学部では140名(3年次編入生を入れて165名)、大学院理学研究科の前期課程で120名、後期課程で30名と比較的少ないのですが、一方で110名を越す各教育研究分野で国際的に活躍する教員を擁しています。これは、教員と学生が密に接する少人数専門教育を可能にしていますが、この少人数専門教育こそが神戸大学理学部・理学研究科の大きな特徴です。平成16年度に完了した学舎大改修を経て講義室、研究室、実験室が十分に整備され、また、近接する自然科学総合研究棟においても理学部・理学研究科の研究が活発に行われています。総合的に見てどこにも負けない充実した教育研究を行える環境となっています。

理学の研究には何よりもまず旺盛な知的好奇心と、物事を深く考え、正しく理解したいという強い欲求が必要です。そのためには、基礎となる理論体系や実験手法を身に着けることが必要ですが、神戸大学理学部・理学研究科の各学科、各専攻では、十分な基礎および専門に関する能力が身に着く様に、体系的なカリキュラムが整備されています。

知的好奇心に富み、未知の分野に意欲的に挑戦しようとする若い皆さんが、この六甲山麓の美しい環境に位置する神戸大学理学部・理学研究科で学んでくれることを期待しています。

[理学研究科長 齋藤 政彦]