神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2020.09.14

海洋底探査センター(現高等研究院海共生研究アライアンス長)の 巽 好幸 教授らの研究グループは, フィリピン海プレートの運動史を再現することで,近畿地⽅に活⽕⼭がなく, 有⾺温泉が湧く原因を解明し,同研究成果がScientific Reports誌に掲載されました.

 西日本では,フィリピン海プレートが南海トラフ・琉球海溝から沈み込むことで,火山活動が起きています. しかし,九州には 10以上の活火山が密集するにもかかわらず,中国・近畿地方では中国地方に2つ,近畿地方には活火山は存在せず, 両地域での火山分布は極めて対照的です.また,近畿地方には活火山がないにもかかわらず,高温の有馬温泉が湧出しています.
 海洋底探査センター(現高等研究院海共生研究アライアンス長)の巽 好幸 教授,都市安全研究センター/理学部の末永 伸明 助手, 都市安全研究センター/大学院理学研究科の吉岡 祥一 教授,大学院理学研究科/海洋底探査センターの金子 克哉 教授の研究チームは, 防災科学技術研究所の松本 拓己総括主任研究員と共同で,これらの謎を統一的に理解するために, 過去1400万年間のフィリピン海プレートの運動をマグマ活動の推移などをもとに再現したところ, 現在の九州の下には5000万年以上前にできた古くて冷たいプレートが, 一方,中国・近畿地方では2500〜1500万年前に誕生した若くて熱いプレートが沈み込んでいることがわかりました.
 これらの結果に基づいて,数値シミュレーションにより,沈み込むフィリピン海プレート周辺の温度構造と含水量分布を定量的に推定し, フィリピン海プレートから水(高温流体)が脱水する場所とマグマの発生の関係を調べました.
 その結果,近畿地方では有馬の直下でフィリピン海プレートから高温流体が放出されて温泉になるため, プレート内部の水が減少して火山活動を起こすことができないことがわかりました. 一方,九州では,同プレート内の水が全てマグマを発生させるために使われており,多量のマグマが作られるため,火山が密集していると考えられます.
   この成果は,9月14日(イギリス時間午前10時),英国 Nature Publishing Group のオンライン科学雑誌 「Scientific Reports」に掲載されました.
   詳しくは,こちらをご覧ください.

ニュース一覧