神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2021.03.19

生物学専攻の近藤准教授らの研究グループは、植物が傷口を修復する際に働くANAC遺伝子群の機能を解明し、植物が持つ高い再生力の仕組みの一端を明らかにしました。

 植物は傷害を受けても傷を塞ぎ、修復することができます。この植物がもつ高い自己治癒力は「接ぎ木」という形で農業・園芸技術として利用されてきました。今回、帝京大学理工学部バイオサイエンス学科准教授 朝比奈雅志、同博士研究員 松岡啓太(研究当時)、佐藤良介、神戸大学大学院理学研究科准教授 近藤侑貴、筑波大学生命環境系教授 佐藤忍らの研究グループは、モデル植物シロイヌナズナを用いた分子生物学的実験から植物が持つ高い自己治癒力の仕組みの一端を解明しました。傷害により誘導されるANAC071、ANAC096と呼ばれる転写因子群は、傷口周辺の細胞の幹細胞化を誘導する働きがあることを見出しました。そして誘導された幹細胞は、細胞分裂を介して傷口を修復するとともに、物質輸送を担う維管束の細胞へと分化することで輸送経路の回復に貢献することを明らかにしました。
 本研究成果は、Nature Research社が提供するオープンアクセス・ジャーナル「Communications Biology」より 2021年3月19日(金)19時(日本時間)に公開されました。 詳しくはこちらをご覧下さい。

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