神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2021.07.12

物理学専攻の太田仁教授、大久保晋准教授らの研究グループが、三塩化セシウム銅(CsCuCl3)という鎖状の磁性体に対して、その量子性の強さを圧力によって制御できることについて報告した論文がNature Communications誌にオンライン掲載されました。

 物理学専攻の太田仁教授、大久保晋准教授と博士前期課程(当時)の奥藤涼介さんは、日本大学の山本大輔准教授(研究開始当時は青山学院大学)や神戸大学研究基盤センターの櫻井敬博助教らとの共同研究で、三塩化セシウム銅(CsCuCl3)という鎖状の磁性体に対して10,000気圧以上の高圧力中で磁気測定実験と理論モデルを用いた解析を行い、その量子性(量子力学的な性質)の強さを圧力によって制御できることを示しました。 この成果は、古典力学的な振る舞いをする物質でも圧力によって 量子性が引き出されることを示しており、すでに発見または合成されている様々な鎖状の物質を用いて難解な量子物質の特性を解明するための新たな研究手法を提示するものです。
 本研究成果は令和3年7月12日にNature Communications誌にオンライン掲載されました。
 詳しくはこちらをご覧下さい。
 なお、本研究は、神戸大学分子フォトサイエンス研究センターの共同利用研究の支援を得て実施されました。

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