神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2022.05.30

物理学専攻の藏重久弥教授らの参加する Geant4日本グループが、高エネルギー加速器科学研究奨励会 諏訪賞 (2021年度) を受賞しました。

 Geant4は放射線と物質との相互作用のシミュレーターとして、Geant4はLHCでのHiggs粒子の発見に大きく貢献し、世界で最も広く利用されています。加速器を用いた実験はもとより、人体への放射線の影響評価などを含む幅広い分野で、今やなくてはならないツールとして知られています。
 日本グループは、Geant4の初版のリリース(1998年)と同時にその普及と保守のための国際的な枠組作りも 主導し、各機関と交渉して国際的プロジェクト Geant4 Collaborationを立ちあげました。
 日本グループはGeant4の高エネルギー実験以外の分野への応用の拡大にも積極的に取り組み、 特に粒子線治療においては、放射線効果のシミュレーション結果を人体画像とともにグラフィック表示する ユーザーインターフェースを含めて開発し、国内のいくつもの粒子線治療施設で実用に供されています。 また、GPUを利用した超並列計算に適応したGeant4の開発を進めるとともに、 宇宙空間における放射線の遺伝子への影響を詳細に評価する宇宙医療分野の課題も取り組んでいます。

 理学研究科での博士取得者、ポスドク、スタッフ経験者が、藏重教授を含めて計5名Geant4日本グループ で活躍しています。

 

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