神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2022.08.31

神戸大と AGC(株)、産学連携で医薬品やポリマー原料となるフッ素化カーボネートを開発

 神戸大学大学院理学研究科の津田明彦准教授と枝和男准教授らの研究グループは、 AGC株式会社と協力して開発したフッ素化カーボネートが、医薬品中間体などの合成において特異的に 高い反応性(化学反応を促進する性質)を持ち、取り扱いが容易で、環境負荷の小さな化学品合成原料となることを実証しました。 有機化合物にフッ素を組み込むと、水や油をはじく、熱・光・薬品などに強くなる、化学反応を変化させるなどの性質が現れます。 津田グループが開発した光オン・デマンド合成法によって、これまで合成が困難であったフッ素化カーボネートを 安全・安価・簡単・大量に合成できるようになりました。独自の学術的なアプローチでそれらを研究することによって、 秘められたいくつかの新たな性質を明らかにできました。 現行カーボネート類のハイエンド化合物として、アカデミアおよび産業界での利用が期待されます。

 フッ素化カーボネートの光オン・デマンド製造法に関して、米国(2021年11月)と日本(2022年4月)で特許を取得しました。 そして、2022年8月18日に本研究成果に関する学術論文が 「The Journal of Organic Chemistry」 にweb掲載されました。

 (追記) 2022年9月5日に、化学工業日報2面で本成果が報道されました。

 研究成果の詳細は下記から御覧下さい。

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