神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2024.03.01

末次健司教授らの研究グループが、新属新種の光合成をやめた植物「ムジナノショクダイ」を発見し、その成果をJournal of Plant Research誌に発表しました。

 タヌキノショクダイの仲間は、光合成をやめた植物の一群で、緑色の葉をもたず、地際にキノコと見紛うばかりの奇妙な小型の花をつける特殊な植物です。生物学専攻の末次健司教授らの研究グループは、鹿児島県の大隅半島の肝属山地から既知のどの属とも異なる特徴をもつタヌキノショクダイ科の植物を発見し、新属としてムジナノショクダイ属 Relictithismiaを設立し、その新種としてムジナノショクダイ R. kimotsukiensisを記載しました。和名の「ムジナノショクダイ」は、一見タヌキノショクダイ属の種に見えるものの、似て非なるものであることが判明したことから名付けられました。

 植物の戸籍調べが世界でも最も進んだ地域とされる日本において、全く知られていなかった新種の植物が見つかることは非常に稀で、新属ともなると、なおのことです。事実、日本から新種記載と同時に新属が設立され現在もその属名が認められている維管束植物は、最新のものでも1930年にまでさかのぼり、今回の成果は、まさに世紀の発見といえます。

 本研究成果は、3月1日に、国際誌「Journal of Plant Research」にオンライン掲載されました。
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