神戸大学 大学院理学研究科・理学部

News Release

2024.05.09

生物学専攻の末次健司教授が、ワラジムシやハサミムシが植物の種子の運び屋さんとして活躍していることを発見し、その成果をPlant, People, Planet誌に発表しました。

 生物学専攻の末次健司教授が、ワラジムシやハサミムシが植物の種子の運び屋さんとして活躍していることを発見し、 その成果をPlant, People, Planet誌に発表しました。 植物を定義づける重要な形質として「光合成」がありますが、中には光合成をやめ他の生物から炭素源を含む養分を略奪して生活する「光合成をやめた植物」が存在します。 このような植物の中で里山のような身近な環境でもよく見られ、私達も親しみ深い植物として「ギンリョウソウ」があります。 末次健司教授らの研究グループは、このギンリョウソウの種子がワラジムシやハサミムシに食べられることによって運ばれていることを明らかにしました。 これまで種子を排出する動物の中で最も小さいとされてきたのは体長11–13 mm、体幅約5 mmのモリチャバネゴキブリでしたが、 今回の研究でワラジムシ(体長8–11 mm、体幅約5 mm)が最小記録を更新しました。 本発見は、種子散布者がこれまで考えられていたよりはるかに多様であることを示した点、今まで見過ごされがちであった小さな動物の生態系における役割を明らかにした点で、重要な成果といえます。

 本研究成果は、5月9日に、国際誌「Plant, People, Planet」にオンライン掲載されました。
詳しくはこちらのページをご覧ください。

ニュース一覧